このブログは、IDG社より発刊されていた「システム管理者の眠れない夜」の著者であった故柳原秀基さんを偲んで書いているシリーズです。

Windows NTの生い立ちについての詳細は、NT-Committee2のメンバーではありませんでしたが講師としてお話しいただいたり色々と貴重なご意見も頂戴した事のあるグローバルナレッジネットワークの横山哲也氏がZDNet Japanで書かれた、「Windowsの歴史 Windows NT編:今のWindowsの礎が築かれるまでの道程」にどういうものかの詳しい(いつものように詳しすぎる)解説があります。簡単に言うと、格段に進化したネットワーク機能を持ったWindows OSでした。Windows NTにはWindows NT 3.1と Windows NT Advanecd Server (通称:NTAS)があり、NTASはもっぱらドメインコントローラで、基本的なサーバ機能はNT3.1が持っていました。つまり、 クライアント風味のNT3.1があればサーバまで使えるものだったのです。
 このように職場でネットワークをどっぷりと活用するにはもってこいのOSで、操作はUNIXと違って基本GUIで行えるWindows NT3.1にすぐに飛び付いたのでした。(David Cutlerにも憧れました)

 ところが、です。このWindows NT、色々とクセがあったのです。というのも出来たてのOSで、それまでのOSと根本的に思想が異なるため、操作もわからない、機器を接続しても、動かなかったり制限があったりするなど、導入には四苦八苦を繰り返しました。その頃はインターネットなどはほとんど使われておらず、唯一の頼りはNifty Serveなどのパソコン通信のフォーラムでした。わからないことがあったらフォーラムで聞く。そうすると先にご紹介したフォーラムの神である横山さん(当時は所属はDECだったと思います)など先人が答えてくれる、また人柱となって何かにトライアルしてその結果をフィードバックする。そうやってWindows NTに関するコミュニティが自然と形成されていきました。

そのように、主にNifty ServeのWindows NT フォーラムに出入りしていた時に、Windows NTをもっと推進するユーザー会を一緒にやらないか、と声をかけていただいたのが金子良治さんでした。日を決め、金子さんの元に集まった、20代、30代の若者が数人(10人くらいだったかと思います)。その中には柳原さんもいらっしゃいました。また、当時DECでのちにマイクロソフト、Googleなど華やかな経歴を持つ及川卓也さん、またその後NT-committee2の立役者となる東京理科大の佐藤喜一郎先生もいらっしゃいました。そしてそんな所からWindows NTを盛り上げるためにNT-Committeeが出来上がったのでした。

ここで、ポイントは上のグループの名前の最後に、『2』が付いてない事です。つまりNT-Committee2の前身がNT-Committeeだったと言うことです。  つづく